●朝霧義水の「小説の書き方~入門編」
小説の基本的な書き方を初心者向けにやさしく簡単にお話しします。
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キャラの二面性
 キャラの設定をするときには、二面性を意識するとより人間らしくなる。
 例えば、「誰にでも優しく接する」キャラがいるとする。子供向けの物語に出てくるヒーローやヒロインはこのような設定が多い。わかりやすいのだが、ちょっと歳をとった読者は「現実にはそんな人はいない」と感じるので、読者を物語へ引き込みにくくなる場合がある。

 そこでキャラに二面性を持たせてみる。

「誰にでも優しく接するが、親には辛くあたる」
「誰にでも優しく接するが、飼っている小鳥にはわざと餌をあげずに飢えさせる」

 このようにすると、ヒーロー失格になり、むしろ狡猾な悪人っぽい。

 逆に、

「誰にも優しく接することができないが、親孝行は欠かさない」
「誰にも優しく接することができないが、小鳥が大好き」

 としてもいい。これでもヒーローではないが不器用な善人という感じだ。

 このように、一見矛盾するような二つの要素をキャラに設定することで、よりキャラに深みが出る。さらに多くの要素を積み重ねると、もっと面白いキャラになるだろう。

 ただし、物語の中でなぜ二面性があるのかを説明する必要はあるだろう。そのキャラが二面性を持つに至った過去の出来事を描写すればいい。

 さらに言えば、物語が進むうちにキャラの二面性が変化していくとよりいいだろう。それには、キャラの「陰」の部分に触れるような事件を起こしてあげ、事件を通じてキャラが考え方を変えていくというのが定石だ。つまりキャラが精神的に成長するのである。
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キャラが走る
 執筆していると、筆者が考えているストーリー通りにキャラが動かない場面に遭遇するようになる。
 臆病者のAさんがBさんに脅されたら言いなりになってしまうだろうが、ストーリー上喧嘩をさせたいからといって突然喧嘩を始めたら臆病者ではなくなってしまう。
 話の都合でキャラの行動を変えさせると読者が違和感を感じるので避ける必要がある。キャラの行動を妨げないストーリー作りをするのが重要だ。

 キャラをできるだけいきいきとさせるには、キャラたちがやりたいようにやらせるといい。しかし、ただ自由にさせてしまうだけではストーリーがぐちゃぐちゃになってしまう。
 キャラ自身では解決できないような難題を筆者が用意して、キャラたちと一緒に解決していくくらいがいい。するとキャラたちが成長するのと同時に筆者も成長する。結果、次の作品はよりレベルの高いものとなるだろう。
異化(自分から離す)
 主人公となる視点人物を筆者の異性にするのは勇気がいる。男性作者が女性視点で書くと、理想の女性像になりやすく、女性読者には違和感を与えてしまう。女性作者が男性視点で書いても似たような傾向があるだろう。要は、異性のずるいところや汚いところを異性らしさを出しながら描写するのが難しいのだ。

 しかし、異性を主人公にすると異性から見た同性を客観的に描写できる。するとキャラを筆者から離すことができる。

 キャラが筆者に近くなりすぎると、筆者の考え方や思想が押しつけがましくなり、読者が拒絶反応を示すこともある。やはりある程度はキャラと筆者の距離をおいた方がいいので、離す手段のひとつとして異性視点で執筆するのもいいだろう。このような書き方を「異化」ということがある。氷室冴子『海がきこえる』は異化がうまくできた面白い作品だと思う。

 章が変わるごとに男性視点と女性視点を切り替えると作品に変化がつくので面白いだろう。ただ、きちんと描きわけないと男女の差がなくなってしまうので注意が必要だ。
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